他の誰かになりたかった―多重人格から目覚めた自閉の少女の手記 藤家 寛子 発売日 2004/03 売り上げランキング 3,906 Amazonで詳しく見る |
サブタイトルからは解離性人格障害がメインのような印象を受けるが、「アスペルガー症候群」の著者がどのような半生を送ってきたか、またどうやってこの「普通」の世界を理解しようとしているかが書かれてある本である。
アスペルガー症候群にありがちな妙に細かいところにこだわる描写まで含めて、アスペルガー症候群の女の子が自分の言葉で自分を語るというアスペルガー症候群を知る上で貴重な本であり、教育関係者などはぜひ読んでおいてもらいたい良著である。
特に自分の考え方や世界観を、客観的に表や箇条書きにしている第二部は必見。第一部で述べている普通の世界との接点を持つことの難しさ、それをいかにして克服しようとしている(してきた)かが俺らにもわかりやすく書かれている。
……うーん、うまく伝わらない。どーしてもみんなにこの本を読んでもらいたいんだよ。それくらい良い本。
で、彼女らの(たぶん俺らには一生わからない)苦労を「頑張っているね」「大変だったね」といった言葉でねぎらってあげたい。